2016年8月アーカイブ

男性本人が一人で女性宅に出向いて、結納を納める場合もあります。

男性と女性の家が遠く離れている場合などにときどき使われますが、もともと男性が「嫁をもらいに」いったわけですから、不自然な方法ではありません。

女性宅に着き、部屋にとおされたら、「このたびは大切なお嬢様をいただくことになりまして、まことにありがとうございます。これは当方の結納の品でございます。幾久しくお納めください」と差し出します。

女性側は「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします」と目録を確かめます。

受書を渡す場合は「受書でございます。お納めください」と渡しますが、省略してもよいでしょう。

女性側からも結納品を納める（結納返し）のであれば、この後差し出します。

最後に男性は「本日はおかげさまでとどこおりなく婚約成立となりました。まことにありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします」とあいさつをします。

その後、桜湯や昆布茶、干菓子でのどをうるおし、祝い膳を囲んで歓談します。

幾久しくという言葉を添えて。



お見合い

恋愛結婚の場合など、仲人を立てた儀式的な結納ははぶいて、本人たちと両親だけが女性宅またはホテルや料亭などで結納を交わすケースもあります。

仲人には挙式・披露宴の媒酌人だけお願いして、結納は簡略に、両家の顔合わせ、歓談の場もかねたものとするケースが多く見られます。


この場合は長慰斗、末広、友志良賀、子生婦、寿留女、松魚節、家内喜多留などははぶいて、結納の品のかわりに婚約指輪などの記念品だけを交わすことが多いようです。

そのようなケースでは、婚約指輪は結納金にかわるものと考えられますので、結納金と同じく、男性の月収の二?三倍くらいの値段のものを選べばよいでしょう。

しかし、あくまでもお互いの考え方次第ですから、無理をしてまで高価なものを買うことはありません。

会場は女性宅あるいはホテル、料亭などの一室を借りて行います。

このような場所は、婚約の記念品交換をする旨を伝えておけば、記念品を置く飾り台や、その後の会食の準備などの手はずを整えてくれます。

手順や口上は、記念品の交換だけなら、形式ばることはありません。

全員がそろったところで、本人たちまたは年長者がお互いを紹介し、あいさつを交わします。

それが終わったら、周囲が見守るなか、本人たちが記念品を交換します。

男性は女性の左手を取って、くすり指に指輪をはめてあげます。

女性は、タイピンなどを贈るのなら、男性のネクタイにはめてあげます。

まわりは拍手でこれを祝います。

その後、なごやかな雰囲気で会食をし、両家が顔合わせをするとともに親交を深めます。

このような方法は結納ほど形式ばらず、婚約記念パーティーほどおおげさでもなく、両家の顔合わせもかねられるので、最近人気が出ています。


男性 結婚