国際結婚の例(2)(新郎の上司)?新婦はフィリピン出身

幸一郎君、ミーアさん、ご結婚おめでとうございます。

ミーアさんはフィリピンから、よくぞこの山原村に来てくださいました。

村を挙げて歓迎しております。

そして、ご両親、ご家族の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。

農村に嫁の来手がないとマスコミでも取り上げられるようになってからずいぶんたちます。

当時は、都会の娘さんたちと集団見合いをしたり、嫁探しに出かけたりと苦労しましたが、いい結果は得られませんでした。

都会の人にとって、やっぱり農家に嫁ぐということは、生やさしいものではなかったようです。

日本国内でさえ、都会と農村にはカルチャi・ギャップがあるのですから、フィリピンから来られたミーアさんにしてみれば、もっと大きな文化の違いに驚かれることもあると思います。

でも、私はそうでもないと思っています。

数年前、私はフィリピンに旅行しましたが、はじめて訪れたのに陵かしい感じがしたのです。

インドに行った時もそうでした。

子供たちは裸足で駆け回り遊んでいるかと思えば、大人顔負けの働きもする。

機械ではない道具を器用に使いこなし、水と布を使ってせっせと仕事をする。

牛や馬が当たり前のように町中にいて、土の道に野菜のくずを捨てても牛たちの餌になり、やがて土に同化する。

また、夜になるとぱっと停電もする。

私は、これは日本の昔の姿だと思って、非常に懐かしくなりました。

この体験を通して、今は文明の嵐に飲み込まれてしまって忘れてはいますが、日本もアジアの一つだったのだと、あらためて気がついた次第です。

私は少年たちの器用な手つきを見て、亡くなったばあちゃんの手つきを思い出しました。

日本もフィリピンも、同じアジアの人間だと思えば、こんなに近い親戚はないのではないかと思っています。

ミーアさんも、日本の農家の習慣に慣れるまでは大変でしょうが、幸一郎君も、家族も、村も、大きな家族のようなものですから、心配しないで、ゆっくりといろいろなことに慣れていってください。

そして、幸一郎君と一緒に、彼が育ったこの村を愛していってください。

私たちも、お二人がお幸せに暮らせるよう、精一杯応援します。